いよいよ歩き出し、言葉を発するようになる1歳児

1歳はカラダの各機能が発達する大切な時期です。
はいはいを卒業してつかまり立ちやあんよができるようになるなど、それまでとは比べものにならない位に活動範囲が大きくなります。
好奇心旺盛な赤ちゃんにとっては、見るもの触るものすべてが新鮮で、親からしたら「目が離せない」時期に突入です。

言葉を発するようになり、手先も器用に

1歳の赤ちゃんでもっとも大きな成長は脳の発達です。

脳の重さは1歳半までに1kgを超えるといわれ、成熟脳に近づく時期です。

そして、視覚や聴覚などの感覚神経も発達して運動能力が上がり、カラダも大きく成長します。

歩いたり、えんぴつなどをにぎったりするといった行動ができるようになります。

やがて、積み木を積めるようになったり、徐々に指先を使った細やかな動きもできるようになります。

 

そして、忘れてはならないのが言葉の発達。

「ワンワン」などの2つ重ねの言葉を発することから始まり、テレビなどをマネして歌を歌おうとしたり、手を叩いたり、踊ったり、カラダ全身でリズムをとろうとします。

さらに、言葉とその対象が一致するようになり、関心のあるものを指さして名前を言ったりします。

1歳後半になると、言葉が30語前後にまで増え、語尾の上げ下げで肯定や疑問を表すようになり、言葉の表現力が広がります。

だだをこねるのは感情表現が豊かになった証

1歳になると、赤ちゃんは感情表現が少しずつ豊かになっていきます。

自分の要求が喜怒哀楽と結びついて、ストレートに感情を表現するため、だだをこねるようになります。

次第に、驚き、怒り、恐れ、嫉妬、不安、不満、悲しみなどの感情も見られます。

そんな時、ママが不安や興奮を取り除いてあげると、自分の気持ちがわかってもらえたんだと思い、満たされることで深い安堵感が生まれます。

この記憶が将来困ったことに遭遇した時に打ち勝つ心の強さへと育ちます。

また、自分と友だち、自分と物といった関係が豊かになります。

ほかの子どもたちとの関わり方を学んで、友だちと手をつないだり、公園の遊具で遊ぶときに「じゅんばん、じゅんばん」と言いながら団体行動になじめるようにもなります。

やりたい気持ちをサポートしてあげて

1歳後半は、少しずつ自我が芽生えてくる時期。

生活面では自分で服を着替えようとしたり、ご飯をスプーンで食べようとしたりと、自分のことを自分でしようとする行動が目立つようになってきます。

しかし、自分でやりたがるものの、まだ1人でできるわけではありません。

やれた時に一緒に喜んでもらうことによって共感性が育ち、母と子の信頼関係、すなわち愛着が将来の人間関係の基礎となります。

パパやママをはじめ大人がうまくサポートしてあげることがポイントです。

● 食事

落ち着いて食事ができるように、できるだけ同じ時間帯に食事をするようにしましょう。

スプーンを持ちたがったら、初めは上から握る「上手握り」を教えてあげると、後々正しい持ち方に移行しやすいです。

まだ上手に使えず、こぼしてしまったり、食器をたたいて遊んだりしてしまうことも多く見られます。

この時期は自分で食べる意欲を持つことが大切。叱りつけず、できるだけ好きなようにさせることがポイントです。

● 着替え

子どもの達成感がもっともあるのが「着替え」。

自分でズボンなどをはきたがるようになったら、足を通した後に引き上げる動作を教え、子どもにやらせてあげましょう。

動作を教えるときは、大人が子どもに見せてあげるのが一番。

成功する度にほめてあげるとドンドンやる気が刺激されて、自分でやろうとする気持ちが育っていきますよ。

 

いろいろなことができるようになってくる1歳。大人が子どもの意欲を先取りすることなく、自分でしようとすることを見守ってあげることが大切です。

 

★今回のポイント★

1歳は、脳・カラダ・ココロが大きく成長する時期

・全身を使った大きな行動や、指先を使った細やかな行動もできるようになる

・簡単な言葉を発することから始まり、語彙数も増えて言葉の肯定・疑問も表現するようになる

・子どもの自立心と達成感を生むためにも、子どものやる気をサポートしよう

 

 

この記事の監修
日本小児科学会専門医 菊池 透先生

初回公開日:2017年6月2日
最終監修日:2021年4月19日

 

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