生後0ヶ月の赤ちゃんには抱っこと笑顔が大事

生後0ヶ月。生まれたての赤ちゃんは、「泣く」「おっぱい・ミルク」「寝る」というサイクルを繰り返しながら環境に適応しようとしています。
聴覚は敏感なので、抱っこをして声を聞かせてあげると赤ちゃんは安心します。
昼夜を問わず授乳やおむつ交換が必要になり、お世話も大変ですが両親で協力しあって乗り切りましょう。

聴覚は敏感!ママの声もしっかり聞き分ける

生まれてから1ヶ月間の赤ちゃんは「新生児」と呼ばれます。

この頃の赤ちゃんは、視力はまだ発達しておらず30㎝くらいの距離ならば、ぼんやりと見える程度。嗅覚もまだ空気が通る鼻腔が狭いので、鼻がつまってしまいがち。

しかし、生まれつき備わっている本能のパワーをフル活用し、精一杯新しい環境に慣れていこうとしています。

生後0ヶ月の赤ちゃんの五感のなかで、敏感とされているのは「聴覚」です。ママの声はしっかりと聞き分けられるそう。どちらかというと、低い声は不快に、高い声は心地よく感じるといいます。

 

誕生直後の体重減少は心配無用!

生まれてから2ヶ月くらいまでは13040g1ヶ月で約1㎏増える場合が多いといいます。

ゆっくりであっても、少しずつ体重が増えているようであれば、問題はないでしょう。

しかし、生まれた直後3~4日間は、生まれた時よりも体重が減ることが多いです。これは「生理的体重減少」と呼ばれる現象です。

おっぱいやミルクを上手に飲むことができず、飲む量よりも汗などでカラダから出ていく量が多くなった時に、一時的に起こる現象なので心配はいりません。

 

泣くのが唯一の自己表現の方法

生後0ヶ月の赤ちゃんにとって、不快な状態をママに伝えるただひとつの方法が泣くこと。

「暑いよ」「おなかがすいたよ」「おむつをかえてほしい」など、なんとなく不快に感じたことを泣いて知らせてくれます。

そんな時は、まずは不快の原因になっていることを取り除いてあげ、その後抱っこして、ママの優しい声を聞かせてあげてください。

心地よい状態にしてくれる人=ママ、パパという風に、赤ちゃんとの信頼関係が築いていけるのです。

 

お世話の大変さを吹き飛ばす笑顔

生後0ヶ月の赤ちゃんは、とにかくたくさん眠ります。

2~3時間眠っては起きることを繰り返し、睡眠時間や授乳、排泄リズムもバラバラです。

これは、新しい環境に一生懸命適応しようとしている証拠。

授乳回数や排泄回数も多く、昼夜の区別もありません。

とにかく大変と思ってしまうかもしれませんが、そんな思いも、時折赤ちゃんが見せるニヤリ顔が吹き飛ばしてくれるでしょう。

この表情は「生理的微笑」といって、赤ちゃんが意識して笑っているものではありませんが、基本的に無表情なこの時期に見られる笑顔は、親にとってはなによりのご褒美。

「きれいなおむつで気持ちいいね」など、目を見つめ声をかけながら接してあげるのがいいでしょう。母と子の愛着の絆の発達は、生後6ヶ月までが大切といわれています。いつも誰かがそばにいてくれる…そんな母と子の信頼関係が愛着を育てます。

 

基本の「泣いたら抱っこ」と「にっこり顔」が大切

このように生後0ヶ月の赤ちゃんのお世話は大変に感じる事も多いでしょう。

しかし、赤ちゃんは、弱い視力ながらも赤色を好むことが分かっているため、パパやママの両目と唇の3点を認識しています。

赤ちゃんが泣いた時には、抱っこしてにっこり顔で声をかけてあげると気持ちいいと感じて、喜んでくれます。

どうしても抱っこできないシーンの時は、高めのトーンで声を掛けながらカラダを触ってあげるだけでも赤ちゃんのココロは安心します。

 

生後0ヶ月の赤ちゃんは、壊れてしまいそうなほど小さくてかわいいもの。しかし、しっかりと成長しようとカラダ全体で頑張っています。ママ、パパもそれに応えてあげましょう。

 

★今回のポイント★

・聴覚は敏感で、ママの声もしっかりわかる

・生後34日間は体重減少があるが心配はいらない

・バラバラな生活リズムが適応しようとしている証

・泣いたら口角の上がったにっこり顔で抱っこしてあげるだけでOK

 

 

この記事の監修
日本小児科学会専門医 菊池 透先生

初回公開日:2017年5月16日
最終監修日:2021年4月19日

 

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