早朝・深夜の半額補助が来年開始?ベビーシッターの基本を学ぼう

■ベビーシッターってどういうときに使うの?

今回の報道を見て、「そもそもベビーシッターってどういうものなの?」と思った人もいるのではないでしょうか。海外ドラマでは時々目にするするものの、日本ではまだなじみが薄いベビーシッター。まず、定義と利用シーンから知っていきましょう。

ベビーシッターとは、保護者の自宅にベビーシッターが訪問し、保育をしてくれるというもの。使い方は以下のようにさまざまな場面が考えられます。

●一時保育

冠婚葬祭や上の子の行事、家族の入院や通院などの緊急事態が起こったとき、ベビーシッターを依頼することができます。

●リフレッシュ保育

パパやママがコンサートや観劇に行きたいとき、またはショッピングや美容院、食事といった自由な時間を持ちたいときにも利用できます。それだけでなく、育児にちょっと疲れてしまったときや行き詰まったときにも、気軽にお願いすることができます。

●産後ケア

いよいよ赤ちゃんが生まれるけどお世話に不安がある、という人はベビーシッターにお手伝いしてもらうことも可能です。きょうだいが生まれるとき、なかなか手が回らない上の子のお世話を頼む人もいます。

●病後児保育

ふだん保育園に子どもを預けている人も、子どもが病気のときや病み上がりのときにベビーシッターに助けてもらうケースがあります。自分が住む街に病児保育がない!という場合にも安心です。

●二重保育

保育園に子どもを預けているものの、残業でお迎え時間に間に合わない…と、頭を抱えているパパ・ママも多いはず。そういうときは、ベビーシッターにお迎えや自宅での保育を頼むことができます。

●学童サポート

ベビーシッターを頼めるのは、乳幼児に限りません。小学生の下校後や学童保育の終了後のお迎え、自宅での保育も依頼することが可能です。

これらのほか、双子や三つ子などの多胎児の保育、障害のある子どもの保育もサポートしてくれます。個人での利用だけでなく、グループ保育にも対応してくれるようです。

現在、公益社団法人全国保育サービス協会に加盟している事業者数は96(平成27年度実態調査報告書より)。全国に455の事業所が設けられ、2万3384人ものベビーシッターが活躍しているそうです。

■ベビーシッターはどうやって利用するの?

次に、ベビーシッターの利用法について見ていきましょう。まず、ベビーシッター会社の情報を集め、どこの会社を利用するか選びます。利用料金や対応可能地域、利用最低時間、電話予約の時間など基本的な情報はもちろん、何日前までに依頼すればよいのか、ベビーシッターの指名ができるかも確認しておくとよいでしょう。利用したいベビーシッター会社があったら、その会社と契約を結びます。

ベビーシッターをお願いしたい日が生じた場合は、ベビーシッター会社に電話をかけ、利用を申し込みます。その後、どのようなお世話をしてほしいかや食事、お昼寝の時間などの利用内容についてベビーシッター会社と打ち合わせを行います。ベビーシッター会社は依頼内容や子どもの年齢(月齢)、個性などを考慮して、所属するベビーシッターから担当者をコーディネートしてくれます。

利用当日は、約束時間の5010分前にベビーシッターが自宅を訪れ、家族からの引き継ぎ後、保育が開始されます。家族が自宅に戻ったら、ベビーシッターから保育の報告が行われます。利用料金の支払いは後日、ベビーシッター会社から請求があるようです。

■ベビーシッターの利用料金は?

自宅を訪問して保育を行うベビーシッターサービスの場合、会員制であることがほとんど。入会費や年会費がかかるところが多いのですが、大半の施設では「ビジター制度」が設けられており、1回や年に数回といった利用頻度であればビジター料金で利用することが可能なようです。公益社団法人全国保育サービス協会の平成27年度実態調査報告書によると、基本時間(早朝、夜間、深夜以外)の1時間あたりの平均利用料金は会員料金で1711円。ビジター料金の場合は2430円と、会員料金よりも少し高くなります。会員料金の場合も、早朝は2032円、夜間は2082円、深夜は2392円と時間外料金は割高になる傾向です。また、東京の場合は基本時間であっても、会員で1958円、ビジターで3531円と、他のエリアよりも料金が高めの設定のところが多いようです。

■半額補助以外にもあった!現行のベビーシッター割引制度

国によるベビーシッターの利用料の補助自体は、以前から存在しています。パパ・ママの仕事のためにベビーシッターを利用する場合に使えるのが、ベビーシッター派遣事業による割引制度。国が全額補助するのではなく、企業にも一部負担が必要な制度となっており、大企業は割引額の10%、中小企業は割引額の5%を支払わなくてはなりません。利用者側の所得制限はなく、割引券取扱事業者が行うベビーシッターサービスを利用すれば、1日1家庭につき2200円の割引を受けることができます。双子、三つ子など多胎児の場合は、1日1家庭につき9000円、未就学の多胎児が3人以上の場合は1万8000円の割引を受けることが可能です。勤めている会社がベビーシッター派遣事業の利用申請を行っていれば割引を受けられるので、会社に確認してみましょう。

■今回打ち出されたベビーシッター半額補助とは?

2016年9月、厚生労働省が2017年度から早朝や夜間のベビーシッター利用に対して半額補助を開始するという報道が世間を賑わせました。現在、保育園などの延長保育を利用している子どもは約90万人。朝7時以前の早朝や、夜8時以降の夜間・深夜に子どもを預けられる場所があまりないのが実情です。そのため、親の仕事の都合で出勤が早朝であったり、退勤が深夜になってしまったりする場合には、近くの保育園に空きがあったとしても利用を断念するケースもあるそう。そこで、厚生労働省はこういったやむを得ない事情で保育園を使えない家庭の時間外保育を支援するという制度を設ける方針です。現在、民間のベビーシッターを利用する場合は、上に上げたベビーシッター割引制度によって1日1家庭につき2200円の割引を受けることが可能になっています。今回の制度では、それに加え、残りの半額を国が補助することができるように検討しているそうです。具体的な補助額や利用条件、利用方法などの詳細は、2016年末までに決定するそう。未就学児だけでなく、小学生についても同様の問題が浮上しているなか、放課後児童クラブ(学童保育)などとの一体運営も視野に入れた調整が行われているようです。

共働きに限らず、さまざまな場面で育児のサポートをしてもらえるのが魅力のベビーシッター。支援制度については、待機児童の問題もあって共働きが前提となっていますが、特に仕事の事情で保育園の利用が難しい家庭などにはうれしいシステムですね。ぜひ使いたいという人は、さっそく自分の会社の制度を確認してみましょう。来年以降、制度が拡充されるといわれているので、今後のニュースのチェックも忘れずに。

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この記事のキュレーター

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