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自分でできることが増え、社会性も身につけ始める3歳児
何でも自分でやりたいという自我が育ち、親の助けを借りなくても、食事やトイレなどのさまざまな生活習慣が自分の力でできはじめる3歳。単語だけの会話を卒業して、おしゃべりも上手になっていきます。場面の切り替えはちょっと苦手ですが、うまく友だちと関わることができることも増えてきます。
運動能力が上がりケンケンパができるように
3歳頃になると、脳の重量は成人の80%ほどの重さになり、脳内の神経ネットワークの構築が進んで中枢神経も成熟期に入ります。
そのため、よじ登る、投げる、片足立ち、目を閉じた状態での歩行など、それまでできなかった複雑な行動もできるようになります。3歳半ば頃になると、利き手・利き足がどちらなのかが定まるようになります。
3歳になると、各感覚器とそれに関連する感受性が大きくなります。
視力・聴力が成人並みになり、メロディの記憶、ニオイの嗅ぎ分け、味の違いなどもわかってきます。
そして、もうひとつの特徴として2つの異なった動きを同時に行うようになります。
片足で立ちながらジャンプをするケンケンパが、それに当たるでしょう。
やりはじめは、なかなか前に進まなかったり、上げていた足が地に着いてしまったりと、2つの動作を一度にきちんと行うことは難しいのですが、3歳半ばを過ぎた頃から、左右の得意な方の足でのケンケンパがうまくできるようになります。
このほかにも、鉄棒にぶら下がったり、ジャングルジムを一段ずつ登れるようになったり、ボールを頭上から投げるといった行動もできるようになります。
友だちとの関係性の中で社会性を身につける
自分の要求を押し付けることが多かった時期を経て、この頃になると、相手の要求が少しずつ理解できるようになります。
友だちとの関係性に深みが増し、貸し借り、順番、交代する様子が見られるようになります。
そして、約束、お願いなどが新しく理解できるようになり、少しずつ社会性を身に付けはじめます。
しかし、その一方で、自分の力で新しくできるようになったことは自分でしたがったり、誰かの手伝いを拒んでしまったりする気持ちも、まだまだ共存しています。
好きなお友だちと仲良く遊んでいたと思ったら、いつの間にかケンカをして泣いてしまう……ということも十分あります。
また、子どもの性格にもよるところも大きいのですが、場面の切り替えが苦手な時期になるので、人と出会った際に顔を隠したり、親の後ろに隠れたりもします。
子どもの気持ちを尊重して見守ろう
それまでは、ただ漠然と着替えをしていたり、「こっちが前だよ」などのヒントをもらっていたりした子どもたちも、この頃になると衣服の前と後ろ、表と裏などがわかった上で着替えをするようになります。
そして、脱いだ衣類を畳んだり、そろえたり、決まった場所にしまうこともできはじめます。
この時、子どもは「こっちが前、こっちが後ろ」と、ひとつずつ確認しながら自分なりに順番を整理して行動しているので、親は急かしたりはせずに、子どものペースを大事にするように見守ってあげましょう。
また、歯みがき後のチェック、トイレの後の拭き取りなどの細かい部分でのサポートはまだ必要ですが、基本的には子どもに任せられる部分も多くなります。
親は子どもの不得意な部分や手の届かない部分を埋められるようにサポートをして、子どものやる気を伸ばしてあげましょう。
サポートをする際に、子どもがすべてを自分でやり通そうとする姿が反抗しているように感じる場合もありますが、子どもの考えや想いをくみとってから接してあげるようにしましょう。
「どうせ○○なんだから」というような、子どものがんばりに水を差す言葉は使わずに、子どもの考えや想いを尊重して、信頼し、誠実に向き合って対応することが大切です。
そのほか、スマホを触ったり観たりすることが増えます。ブルーライトの目への影響は2歳頃から出始め、体内時計が狂い夜泣きの原因にもなります。スマホいじりは親も子も注意が必要です。
★今回のポイント★
・ケンケンパなどの2つの行動を同時に行う動きができるようになる
・相手の要求が少しずつ理解できるようになり、社会性が身に付き始める
・着替えでは子供を急かしたりはせずに、子どものペースを大事にするように見守ろう
・子どもの考えや想いを尊重して、信頼し、誠実に向き合って対応しよう
この記事の監修
日本小児科学会専門医 菊池 透先生
初回公開日:2017年7月7日
最終監修日:2021年5月26日
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