ミルクアレルギーとは?知って損なし!アレルギーについての知識を高めよう

ミルクアレルギーは新生児から発症するアレルギーです。赤ちゃんが飲む粉ミルクは、牛乳から作られているため、牛乳に含まれているタンパク質が原因でアレルギーを発症します。ミルクアレルギーは誰もがなる可能性があります。アレルギーについての知識を高め、その子に合う対処法を医師と相談しながら見つけましょう。

育児中のママたちが特に心配するのが食物アレルギーです。なかでもミルクアレルギーは新生児から発症します。粉ミルクを摂取することでアレルギー反応を起こすのです。 年々増えているといわれている、ミルクアレルギーとは一体どんなものなのか、また、アレルギー専用の粉ミルクについて紹介します。

ミルクアレルギーとは?

ミルクアレルギーは、新生児・乳児消化管アレルギーの1つです。アレルギーの原因となるのは、カゼインとベータラクトブログリンというタンパク質成分です。 これらは牛の乳に含まれている成分です。粉ミルクは牛乳から作られるため、粉ミルクでミルクアレルギーが発症するのです。 赤ちゃんは腸が未発達なため、牛のタンパク質を分解できないまま吸収してしまいます。これを異物と判断し、拒否反応を起こす場合があります。これがミルクアレルギーです。

ミルクアレルギーの症状

主な症状は、嘔吐、下痢、血便、体重増加不良です。障害部位によって症状はことなり、胃の場合は、嘔吐。小腸の場合は、下痢、体重増加不良。大腸の場合は血便が主です。発疹、発熱、無呼吸発作などみられます。

母乳でもアレルギー症状が出る?

完全母乳でも、ママが摂取する食事により、ミルクアレルギーの症状が出ることがあります。 そのため、かかりつけの医療施設で栄養指導や専門医との相談をしながらミルクアレルギーに対応していきましょう。

発症時期は?

大半が生後13ヶ月までに症状が出るといわれています。また、母乳からミルクへの切り替えの際にも発症することも。ミルクへ切り替えたり、月齢が進み離乳食を始めた際には、体重の増減に注意しましょう。 また、ミルクアレルギーと診断された場合の離乳食は専門医や栄養士と相談しながらすすめましょう。

粉ミルクの選び方

アレルギー症状の度合いにより、粉ミルクを選びます。通常のミルクより価格が高めのものが多いようです。 カゼインを分解したミルクと乳清を分解したミルクの2種類に分かれます。医師と相談しながら選びましょう。

軽度の湿疹の場合

医師と相談することが大切です。そのなかで、ペプチドミルクといわれるものを使用する場合もあります。 ペプチドミルクは、赤ちゃんがミルクアレルギーにならないための粉ミルクであり、ミルクアレルギー専用の粉ミルクではありません。 ペプチドミルクのカゼイン分解分子量は約2000~5000です。数値が低いほど分解しやすいとされています。

ミルクアレルギー確定の場合

ミルクアレルギーと診断されたら多くの場合はミルクアレルギー専用の粉ミルクを使用します。カゼイン数値は1000~2000です。乳清は分解、除去されています。 また、ミルクアレルギー用の粉ミルクでも症状が出る場合もあります。はじめて与える際は、医師の指示に従い、注意書きをよく読んだうえで、小さじ1杯程度から様子をみましょう。

ミルクアレルギーは治る?

症状の度合いによりますが、成長とともに症状が落ち着くことが多いです。胃腸が発達し、牛乳に含まれるタンパク質を分解できるようになる3歳ごろには90%以上の赤ちゃんが改善します。

アレルギーについての知識を増やそう

ミルクアレルギーの他にも、いろいろなアレルギーがあります。発疹やじんましんなど、アレルギー反応とみられる症状が出たら、早めに医療施設へ行きましょう。 低月齢だとアレルギー反応なのかどうかを判断するのが難しいこともありますが、早めに医師と相談しながら、治療を進めていくことが大切です。 また、ご自身でアレルギーの本や雑誌などに目を通し、アレルギーの知識を増やすようにしましょう。いざというときに焦らずに対処ができるようになります。

ミルクアレルギーとうまく向き合う

赤ちゃんにとって主食であるミルクが飲めないとなると、ママは途方にくれてしまいますね。赤ちゃん自身も苦しいこともたくさんあります。 全てを頑張ろうとせず、医療施設を利用しながら、うまく親子で向き合っていきましょう。

 

この記事の監修
日本小児科学会専門医 菊池 透先生

初回公開日:2016年5月9日
最終監修日:2021年7月22日

この記事のキュレーター

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