人工授精
自然妊娠の手助けをするのが人工授精
人工授精は、あらかじめ採取した精子を洗浄・濃縮し、受精する能力を高めたうえで、排卵日を迎えた子宮に注入する方法で、妊娠率は3~10%です。受精から着床、妊娠までの経緯は自然妊娠と変わりません。
子宮頸管を精子が通りにくい場合や、精子の数や質などに少し問題がある場合、セックスがうまくいかない場合に向いている方法です。
費用は、病院によって若干異なるものの、1~3万円が目安。人工授精そのものの費用は自己負担ですが、排卵障害と診断された場合、クリニックによっては排卵誘発剤の処方には保険が適用されます。
人工授精の流れが知りたい!
まずは、超音波検査で卵胞の大きさをチェックしたり、血液検査で黄体化ホルモン(LH)を測ったりして、排卵日をより正確に予測します。カラダの状態によっては、排卵誘発剤をあわせて使用することもあります。
人工授精の当日、男性は精液を病院の専用ルームで採取するか、当日の朝自宅で採取してから病院に持参します。自宅で採取するときは、精液を温めたり冷やしたりしないように注意してください。3~4日前から禁欲して、十分な量の精液を採取できるようにしましょう。
病院では、子宮に注入する前に、採取した精液を顕微鏡でチェックし、よく運動している精子の数を数えます。
その後、精子の動きを妨げている物質や未熟な精子、奇形の精子を洗浄して取り除き、成熟していてよく運動する精子だけを集めます。
このような受精率を高める処理が終わったら、精子を、カテーテルを使って内診台で子宮に注入します。このときに使うカテーテルは細くて柔らかく、低刺激で痛みもほとんどないため、麻酔も必要ありません。
精子を子宮に注入したあとは、そのまま5~10分横になって安静にし、帰宅します。(クリニックによっては抗生剤が処方されます。)入院は必要なく、帰宅後は普段通りに過ごしましょう。
人工授精の次のステップは?
タイミング法と人工授精をどのくらいの期間で行うかは、女性が20~35歳未満であれば計12周期、35~40歳未満では計6周期、40歳以上の場合は3周期が目安です。人工授精を行っても妊娠しない場合は、体外受精や顕微授精といった高度な治療を検討します。
