タイミング法
排卵日を予測して妊娠の確率をアップ!
タイミング法は、女性の排卵日を正確に予測して、医師の指導するタイミングにあわせてセックスをする方法です。不妊治療としてタイミング法を行う場合の費用は、排卵誘発剤や検査の金額を含め、1回で10,000~12,000円程度が目安。排卵誘発剤の種類によっては、もう少し費用がかかることもあります。
排卵日をより正確に予測するためには、基礎体温を記録することに加えて、超音波検査で卵胞(卵子を包んでいる袋)の生育状況や大きさを測ったり、血液検査でホルモン値を調べたりします。
タイミング法ではより正確に排卵日を予測することが重要
基礎体温は、体温の低い時期(低温期)と体温の高い時期(高温期)に分かれ、低温期から高温期に入る直前に排卵が起こります。日ごろから、基礎体温を記録する習慣をつけておき、排卵日を予測するヒントにしましょう。
より正確に排卵日を予測するためには、病院での検査も欠かせません。排卵日近くの卵胞は18〜20 mm程度であり、超音波検査で卵胞の大きさを測ることも重要です。
また、血液検査では、排卵を誘発する黄体化ホルモン(LH)の値を調べます。
LHの値が増加しはじめていれば36時間後に、LHの値がピークに達していれば12時間後に排卵が起きます。医師からの指導の通りにタイミングをとりましょう。自分でできる検査として排卵検査薬(尿中LHキット)を用いる場合には、薄く陽性が出ていれば1日後、強く陽性がでている場合には当日にタイミングをとります。
これらの検査結果をふまえて、より正確な排卵日予測を目指しましょう。
予測した排卵日をもとに指導された日のセックスではプレッシャーに注意
排卵日予測をもとに、病院で指導されたタイミングでセックスをします。
卵子が排卵されてからの寿命は24時間と、72時間生きる精子よりも短いため、排卵日当日よりも、排卵日前日にセックスをして、卵子が排卵されるのを、精子が女性の体内で待つようにするのがベストです。
ただし、「今日は排卵日だから」という義務的な雰囲気になってしまうと、セックスそのものがプレッシャーになって、男性が勃起不全を起こしてしまうことがあります。
ムードを盛り上げるなど、それぞれのカップルにマッチした工夫を大切にできるとよいですね。
排卵誘発剤を使う場合も
排卵誘発剤は、卵巣を刺激してより良い排卵を起こしホルモン分泌を高めるお薬です。規則的に排卵していなかったり、排卵しにくかったりする場合にも使うことがあります。クロミッドやセキソビットといった排卵誘発剤は、脳下垂体にはたらいて、卵胞を発育させる卵胞刺激ホルモン(FSH)や排卵を誘発する黄体化ホルモン(LH)の分泌を促し、卵胞の発育を助けます。
これらの薬で効果がみられない場合には、LHとFSHを含んだhMG製剤を使うこともあります。
卵巣の内側に小さな卵胞が詰まってしまい、大きく成長した卵子が卵巣から出ることができなくなる排卵障害である多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を起こしている場合などに、排卵誘発剤で卵胞を刺激すると、まれに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起きることがあります。吐き気やお腹の張り、体重の急な増加といった症状があれば、早めに医師に相談しましょう。
次のステップに進む時期は?
女性が20代であれば、焦らず自分たちのペースでタイミング法に取り組んでみても大丈夫です。
しかし、35歳を過ぎている場合には、排卵誘発剤を併用しながら1~3回行い、結果をみて、次の治療へのステップアップを考えましょう。