不妊治療の費用について

不妊治療にチャレンジしたいけれど、費用がどのくらいかかるのかわからなくて不安……。そんな方も多いのではないでしょうか。何となく高額なイメージをもっている方もいるかもしれません。どの治療にどのくらいの費用がかかるのか、みていきましょう。

治療の種類と金額

不妊治療には「保険診療でできるもの」と、「保険が適用されず自費診療になるもの」の両方があります。人工授精を除く一般不妊治療では保険が適用されますが、人工授精と体外受精・顕微授精は自費診療で保険は適用されず、費用負担は高額の傾向があります。
一般的な費用の目安をしっておくといいでしょう。

体外受精には、採卵から受精、胚移植までの一連の流れに加えて、複数の卵子を育てるための卵胞刺激の注射や、卵胞の成長を確認するための超音波検査、ホルモン値を調べる血液検査などの費用がかかります。
また、使用する薬の種類や量、投与期間には個人差があり、費用にも違いがあります。医療機関によっても金額が変わってきますので、治療を始める前にクリニックでおおよその費用を確認しておきましょう。

助成金を活用しよう!

不妊治療にかかる経済的な負担は決して少なくありませんが、国や自治体では不妊治療の費用の一部を助成する、さまざまな制度を設けています。不妊治療はステップアップするにつれ、かかる費用も高額になっていきます。制度を上手に活用して、費用負担を軽減しましょう。

① 国(厚生労働省)の助成制度「不妊に悩む方への特定治療支援事業」

体外受精および顕微授精にかかった費用のうち、初回は30万円、それ以降は1回15万円(採卵を伴わない凍結胚移植、採卵したものの卵が得られないなどの理由で中止したものは7.5万円)まで助成を受けることができます。
助成が受けられる回数は、治療開始時の妻の年齢が40歳未満である場合は通算6回、40歳以上である場合は3回までとなります。
男性不妊治療で精子を精巣または精巣上体から採取する手術を行った場合も、1回の治療につき15万円まで助成されます(採卵を伴わない凍結胚移植は除く)。

助成の対象となるのは、
・法律上婚姻している夫婦
・体外受精、顕微授精以外の治療法では妊娠の見込みがないか、極めて少ないと医師に診断された方
・治療開始時の妻の年齢が43歳未満
・所得額が夫婦合わせて730万円までの方
となっています。また、助成を受けるにはお住まいの自治体への申請が必要です。

② 各自治体の助成制度

国の制度とは別に、自治体が独自の助成を行っている場合があります。
国の制度に金額を上乗せする形で助成しているケースや、人工授精やその他の一般不妊治療に対して助成を行うケースなど、助成内容や助成金額、申請方法は自治体によってさまざまです。お住まいの都道府県や市区町村のウェブサイトなどで、確認しておくとよいですね。

厚生労働省のウェブサイトに、各都道府県の不妊治療費助成制度の窓口が掲載されていますので、参考にしてみてください。
厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業 指定医療機関一覧」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/0000047346.html)

③ 確定申告の医療費控除

1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が一定金額を超えた場合に、確定申告を行うと納付した税金の一部が戻ってきます。これが「医療費控除」です。通院のための交通費や薬局で購入した治療目的の薬も対象になるので、レシートなど金額のわかるものを保管しておきましょう。