お子様の生理は正常?病院受診の目安
お子様が初潮を迎えた後、順調に生理が来ているのか、量や期間に問題はなさそうかが気になるかたも多いのではないでしょうか。
そこで、このコラムでは初潮後の生理の様子や、受診の目安について、わかりやすく説明します。
初潮から数年間は生理が安定しない
初潮から3年程度は、生理周期や期間、経血量が不安定になりやすいといわれています。
これは卵巣や子宮が未成熟で、ホルモンバランスもまだ整っていないためです。
初潮がきてから1ヶ月経つのに次の生理が来ない、逆に月に2回生理が来るといったこともしばしば起こります。
生理が1〜2日で終わってしまうこともあれば、1週間くらい続く場合もあるでしょう。
経血量も少なかったり、多かったりと波があります。
病院受診の目安
思春期は子供から大人へとココロとカラダが大きく変わる時期ですが、成長のスピードは人それぞれ違います。 では、思春期のお子様の場合、どのような場合に婦人科の受診を検討すればよいのでしょうか。
生理が3ヶ月以上来ていない
生理が3ヶ月以上来なかった場合には婦人科の受診をおすすめします。
初潮が来てから数年間は卵巣や子宮が未成熟で生理周期が不安定になることも多いので、多少の遅れであれば様子を見ても問題ありません。
ただし、3ヶ月以上生理が来ない状態は医学的に「続発性無月経」と呼ばれ、治療の対象になります。大きなストレスやダイエット、激しいスポーツなどによる体重減少などが原因となっている場合が多いですが、まれに病気が隠れていることもあるためです。
また、無月経の状態が続くと、骨折しやすくなったり将来妊娠が難しくなったりする可能性もあります。
長期化するほど自然に生理が再開する可能性は低くなるので、早めに婦人科を受診してください。
1時間くらいで経血がナプキンからもれてしまう
経血量が多くて1時間もナプキンがもたない、レバーのような血のかたまりが出るという場合は「過多月経」が疑われます。
初潮から間もない頃はホルモンバランスが不安定なので大きな病気の可能性は低いものの、貧血を起こしている可能性があります。
顔色が悪く、めまいや立ちくらみ、疲れやすいなどの症状がある場合は、婦人科を受診して医師に相談するとよいでしょう。
鎮痛剤が効かないほどの生理痛がある
日常生活に支障が出るほどの強い生理痛がたびたび起こっている場合、医学的には「月経困難症」であると考えられます。
思春期のお子様であれば病気ではなく、子宮が未成熟であることや痛みの原因となるプロスタグランジンという物質が多く分泌されることによって起こる場合がほとんどです。
ただし、生理痛が強い場合は将来子宮内膜症にかかりやすくなるといわれています。
子宮内膜症とは、子宮内膜が子宮以外の場所に増殖してしまう病気で、不妊の原因となることもあります。
鎮痛剤を飲んでも治まらず、寝込んでしまうほどの強い生理痛がある場合は、婦人科を受診しましょう。
15歳になっても初潮が来ない
高校1年生(15歳〜16歳)になっても、一度も生理が来ていない場合は、「初経遅延」の状態と考えられるので、婦人科で医師に相談してみるとよいでしょう。
初潮が来るのが遅れていても病気とは限りません。
激しいスポーツやダイエットをしていて体脂肪率が17%未満の場合も、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が少なくなり、初潮が遅れることがあります。
必要に応じて、ホルモンの分泌がうまくいっているか、卵巣・子宮に異常がないかなどを調べてもらうと安心でしょう。
監修:婦人科専門医 松村圭子先生